[ 2004.04.01 ]
人前に立てない消極的な私に社会に出ての試練が待っていた。同僚の結婚式で祝辞なしを条件に出席した私に突然指名が、頭の中はパニックになった。当然最 悪の式辞で苦い思いをし二度と人の集まる会合などへは行かないと決めた、が次の失敗が。ある展覧会を観に行った先で突然挨拶を要求された。オープニング パーティでの第一声だった。これを機に逃避から方向転換を決意した。

まず消極的な性格を変える事に重点を置き自分自身の変身を試みた。早速今ま での地味な服装、髪型を一変、長髪から坊主頭へ、洋服は上下ともはさみを入れぎざぎざに切り裂き足下は草履、時にはかつらやカウボーイハットを被り街の中を歩いた。かなりの視線を背中に感じながら大胆な自己改革の瞬間だった。頭の中のもやがスーと剥がれていく爽快感があった。

外見だけの変身ではなく多くのアーティストと交流、美術論を夜を徹して語り合った。既成概念の打破を目指して。

人生の逃避からは何も生まれないし、日々の生活のマンネリ化の中からは独創性は出てこない事を実感、私には強烈な刺激剤を打ち込む必要性を感じての自己改革だった。
(月刊「書の美」2004年4月号『徒然なるままに』より)